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レトロ相撲記事。

明治~大正の新聞記事は大変興味深い情報の宝庫です。味わい深い文体も楽しみながら、古き佳き時代の相撲場風情を満喫しましょう。 緑色の文字は作成者のコメントです。

明治15年夏場所7日目 (東京横濱毎日新聞/明治15.6.7)

Posted on 2006年7月29日 By gans 明治15年夏場所7日目 (東京横濱毎日新聞/明治15.6.7) へのコメントはまだありません


・昨日回向院七日目の相撲は相変わらずの上景気にて観客およそ三千五百人。
・浦風に高千穂は、難なく立合い二ツ三ツ突掛け合ううち高千穂は左を差し、浦風は此の手を巻きて押合いしが、高千穂は相手に押されてタヂタヂと後ずさりするよと見えし時、体をかわし「送り出し」てついに高千穂の勝となりたり。
・西ノ海に関ノ戸は仕切も立派に立上り、西ノ海は相手の体に組入らんとする時、関ノ戸は右手を取りて引廻せしに、如何なしけん西ノ海の腰砕け体流れて関ノ戸の勝。
・手柄山に柏戸は立合に手間取るうち柏戸が突掛けしにて手柄山は右の目尻へ少しの傷を負いしかば、立上がらずして預りとなれり。
・楯山に高見山は双方気入りもよく立上り、互いに右を差して揉合ううち高見山は土俵近く押されて踏切らんとせしが、相手の隙を伺い力を籠めて右へ捻りしに、双方の体一時に流れしが楯山の方先に流れしため高見山の勝。
・(以下中入後)小武蔵に伊勢ノ濱は、小武蔵「打チャラレ」て伊勢ノ濱の勝。
・司雲龍に稲ノ花は双方とも血気十分の力士なれば花々しく立合い、司雲龍は力に任せて押行きしに稲ノ花は折をうかがい「はたき」しに司雲龍の体は流るるかと思われしが、さにあらで辛く直りしを、稲ノ花は仕損じたりと今度は押切らんとて無二無三に突いて入る時、司雲龍は左手を引張ると等しく「アビセコミ」て司雲龍の勝。
・緋縅に大達は諸人気入りの相撲なり、其の勝負如何とあれば、立上るや否や双方共有の片手にて「突張」り合いしが、ややありて緋縅は相手に押され土俵わずかになりければ一生懸命に押戻さんとせしも、大達は体を換わして「ハジキ」しかば緋縅の体見事に流れ、訳もなく大達の勝。
・千羽ヶ嶽に清見潟は立合申し分なく、千羽ヶ嶽が押切らん一心に清見潟の体を押行きしが、この時清見潟は「はたき込み」しに十分はまりて清見潟の勝。
・武蔵潟に鞆ノ平及び大鳴門に梅ヶ谷はどちらも休み。

大鳴門と鞆ノ平の両関脇が今日から休場してしまいました。好取組が2番も流れては観客もがっかりしたことでしょう。この場所は序盤より三役が不調であったり休場者が多かったりと、終盤への盛り上がりがイマイチですね。こうなってくると客足への影響が出てくるかも・・・
明治15年夏場所星取表

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