明治15年夏場所3日目 (東京横濱毎日新聞/明治15.6.1)
・昨三十一日、回向院三日目の相撲は観客およそ二千五百人、上景気にて。 ・浦湊に嶋田川は浦湊の勝。 ・緋縅に上ヶ汐は仕切も立派に立上り、二つ三つ突掛けて上ヶ汐は右手を差し左手を相手の右手にからみ、緋縅は差されし敵の右手を我…
明治~大正の新聞記事は大変興味深い情報の宝庫です。味わい深い文体も楽しみながら、古き佳き時代の相撲場風情を満喫しましょう。 緑色の文字は作成者のコメントです。
・昨三十一日、回向院三日目の相撲は観客およそ二千五百人、上景気にて。 ・浦湊に嶋田川は浦湊の勝。 ・緋縅に上ヶ汐は仕切も立派に立上り、二つ三つ突掛けて上ヶ汐は右手を差し左手を相手の右手にからみ、緋縅は差されし敵の右手を我…
・昨日回向院二日目の相撲は観客およそ千八百余人、至極上等の景気なりし。 ・(中入前)和田ノ森に長山は和田ノ森の勝。 ・小武蔵に立田野は互いに念入れて立合い三ツ四ツ跳ね合いしが、立田野は右を差せしを小武蔵は左に受けて相手を…
・昨日回向院初日の相撲は折り悪しき早朝よりの曇天にて観客およそ七百人。 ・中入前、西ノ海に忍川は西ノ海の勝。浦湊に高千穂は高千穂の勝。緋縅に荒飛は緋縅の勝。 ・千勝森に上ヶ汐は互いに念入りて立上り等しく手と手にて渡り合い…
・昨日十日目の千秋楽は、興行中天気もよく万事好都合に打ち上げ十両以上の力士等より年寄に至るまで皆祝杯にほろ酔いて、土俵入も賑やかに相済みたり。 ・三役、鷲ノ森に坂田野は鷲ノ森が少しく立ち後れしが、坂田野は其のまま付け入り…
・一昨日、回向院九日目の相撲は相変わらずの上景気にて。 ・番数の内、西ノ海に日本錦は何にせよ段違いの相撲ゆえ西ノ海の右手が入るとすぐ「スクイナゲ」にて西ノ海の勝。 ・勢イに常陸山は十分の気合にて立合い、二ツ三ツ刎ね合い土…
・昨日回向院八日目の相撲は明け方の曇天ゆえか朝のうちは人出も少かりしが、あたかも好土曜半休暇の事なれば昼過ぎよりは中々の大入りなりき。 ・番数の内、井筒に稲ノ花は気合よく立合い、稲ノ花は右を差すや否や一杯に寄りて勝。 ・…
・昨日回向院七日目の相撲は朝よりの曇天ゆえか人出少なく見えしも、大丈夫三千の上なりしならん。 ・この日番数の内いと面白かりしものを記さんに、勢に大達は大達余程後れて立ちしが二足ほど下がりてそれより一杯に押し切り大達の勝。…
・昨日回向院六日目の相撲は前日に劣らざる大入なりき。 ・番数のうち最も面白かりしものを記さんに、達ヶ関に西ノ海は申し分なく立合い、西ノ海は又も例の如く相手の左手を一本引張り込み十分に相手の体を振りくつろげ、其のまま押し切…
・昨日回向院五日目の相撲は早や顔触れも追々とよくなるゆえか見物人は無慮五千余に及びたりと。 ・番数のうち立田野に若山は、立田野は十分に落着き相手を堅くして十分の所と立たんと構えしに、若山は立声を掛けて突掛け立田野は後れて…
・昨日回向院四日目の相撲は好天気だけに至極の上景気、見物はほとんど五千に及びたりと。 ・その勝負の面白きものを記さんに、稲川に西ノ海は立合申し分なく、西ノ海は例の通り相手の左を一本引張り込み此の手を抱えて十分相手の体を振…