明治27年春場所7日目 (二六新報/明治27.1.13)
○回向院大相撲 ・昨日の七日目は殊の外の大入にて、珍しく松方伯も令嬢を連れられて参場せらる、また東桟敷には吉原柳橋の紅裙、いな紅褌隊をなし西の方には新橋の紅褌群れをなし居れり。 ・一力海山は、立合いより突合い跳ね合い挑む…
明治~大正の新聞記事は大変興味深い情報の宝庫です。味わい深い文体も楽しみながら、古き佳き時代の相撲場風情を満喫しましょう。 緑色の文字は作成者のコメントです。
○回向院大相撲 ・昨日の七日目は殊の外の大入にて、珍しく松方伯も令嬢を連れられて参場せらる、また東桟敷には吉原柳橋の紅裙、いな紅褌隊をなし西の方には新橋の紅褌群れをなし居れり。 ・一力海山は、立合いより突合い跳ね合い挑む…
○回向院大相撲 ・昨日の同相撲は殊の大入にて、取組の中にも大戸崎が小錦に勝ちたるが本年第一の奇観にて愉快なる場なりき。 ・一力鳳凰は、中入前一二の好取組にて見物の気込みもよく何となく物騒がしき景状なり、かくて両人の立上る…
○回向院大相撲 ・一月の大相撲は、去る三日初日なるも風雪のため休日多く本日にてようやく六日目なるも、出世興行なれば贔屓連は初日より腕をさすって詰めかけ詰めかけ日々大入を占め居れり、初日以来一昨四日目までに主なるものの勝負…
○大相撲四日目(昨九日)は朝から曇天なりしゆえ如何あらんと気遣いしには似ず、面白き取組もありしためにや中々の好景気にて、相変わらず近衛徳川の両公その他の貴顕をも多く見受け、初日以来の大入なりし。 ・鬼鹿毛に大蛇潟は、大蛇…
○大相撲三日日(昨五日)は朝から雪を催し折々ちらつきて寒気も非常に強かりしかば如何と思いし見物も割合に入りがありて、且つ相変わらず徳川近衛の両公その他の貴顕にも多く来観されしが、午後よりは本降りとなりたるに入掛もやと気遣…
○大相撲 ・二日目(昨四日)は朝の内より照るかと思えば曇り、俗に云ううっとうしき空模様にて午後四時頃にパラパラと来しなど日和悪かりしため、見物充分ならずまづ八分通りの入りなりしが、例の徳川近衛の両公を始め貴顕方にも多く来…
○大相撲 ・前に記せし如く両国回向院境内に於ける出世大相撲は一昨三日より開場したり、早天より響き渡れる櫓太鼓の音勇ましく、とどろとどろと両國橋踏み鳴らして押出したる見物おびただしかりき、木戸前には勧進元伊勢ヶ濱へ贔屓より…
○回向院大相撲 ・昨日十日目の同相撲は千秋楽としてはまづ景気よき方なり。 ・一力に玉龍は、立上り突合い一力遮二無二突張りハズンで踏切りしに、早くも廻り込んで逆に攻込み一力の勝なりとて行司は団扇を指したり、しかるに検査役関…
○回向院大相撲 ・曇天細雨の間に日光の現れしを以て開場せし昨日九日目の同相撲は、大戸平西ノ海と云える呼びものありとて場内の景気もっともよく、さりながらこの呼びものは西関稽古の際負傷せりとて土俵入をなさず、折角の好取組は流…
○回向院大相撲 ・一昨日の八日目は、前日降雨なり定めし触れ大鼓ならんと思いしに、日曜なりとて細雨襲い来るも小錦大戸平と云える呼びものありとて開場せり、午後二時頃に至りては満場立錐の地なき程なり、当日来場の貴顕紳士は平常よ…