明治16年春場所2日目 (東京横濱毎日新聞/明治16.1.12)
・昨日回向院二日目の相撲は中々の上景気にて観客二千の上に出でたり。 ・(中入前)一ノ矢に若山は一ノ矢の勝、出釈迦山に入間川は出釈迦山の勝。 ・九紋竜に緋縅は難なく立上りしが九紋竜は突掛け行く途端、腰「砕け」て緋縅の勝。 …
明治~大正の新聞記事は大変興味深い情報の宝庫です。味わい深い文体も楽しみながら、古き佳き時代の相撲場風情を満喫しましょう。 緑色の文字は作成者のコメントです。
・昨日回向院二日目の相撲は中々の上景気にて観客二千の上に出でたり。 ・(中入前)一ノ矢に若山は一ノ矢の勝、出釈迦山に入間川は出釈迦山の勝。 ・九紋竜に緋縅は難なく立上りしが九紋竜は突掛け行く途端、腰「砕け」て緋縅の勝。 …
・かねて記し置きたる如く回向院の大相撲はいよいよ昨日より興行なりければ、恒例により続々取組の景況を報道すべし、さて昨初日は観客およそ千余名、上景気の方にて。 ・(中入前)千勝森に常陸川は常陸川の勝、荒飛に中津山は荒飛の勝…
・昨日回向院千秋楽の相撲は、此の程よりの雨天にて日合いの立ちしと幕下の取組なる事にて三役前までは観客も数うる程なりし。 ・中入前にてやや面白かりしものを記さんに、泉瀧に出釈迦山は双方立上ると等しく突張り合いしが、泉瀧の力…
・昨日回向院九日目の相撲は観客五百余人にて。 ・立田野に竜ヶ鼻は竜ヶ鼻の勝。 ・浦湊に井筒は立上るや否や浦湊は左、井筒は右を差し揉合ううち互いにコジて「ミツ」に渡り浦湊は「寄らん」と力をなおす折しも水となりしが、井筒の方…
・昨日回向院八日目の相撲は景気少しく落ち観客およそ千七百人。 ・(中入前)西ノ海に稲ノ花は双方仕切も立派に立上り、互いに突掛け跳ね合ううち西ノ海は右を差し稲ノ花は左を差し暫時揉合いしが、稲ノ花は一心に西ノ海を土俵近く押行…
・昨日回向院七日目の相撲は相変わらずの上景気にて観客およそ三千五百人。 ・浦風に高千穂は、難なく立合い二ツ三ツ突掛け合ううち高千穂は左を差し、浦風は此の手を巻きて押合いしが、高千穂は相手に押されてタヂタヂと後ずさりするよ…
・一昨日回向院六日目の相撲は追々顔触れもよくなる上、日曜の事なれば一層の上景気にて、見物およそ四千五百人。 ・小武蔵に常陸川は常陸川の勝。稲ノ花に中津山は稲ノ花の勝。 ・大達に千羽ヶ嶽は仕切も立派に立上り直ぐに左「四ツ」…
・昨日回向院五日目の相撲は観客およそ三千五百人、至極上等の景気なり。 ・勢に井筒は立上るや直ぐに「四ツ」となり、井筒は勢の腰に掛り流れて見事に勢の勝。 ・高千穂に常陸山は、仕切りも立派に立上り双方より突掛け合いしが、高千…
・昨日回向院四日目の相撲は中々の上景気にて観客およそ三千人。 ・小武蔵に司雲龍は双方日の出の若相撲、仕切も花々しく立上りて三ツ四ツ跳ね合いしが、ややありて「四ツ」となり司雲龍は一度「ツリ」を試みしに、小武蔵の足一寸地を離…
・昨三十一日、回向院三日目の相撲は観客およそ二千五百人、上景気にて。 ・浦湊に嶋田川は浦湊の勝。 ・緋縅に上ヶ汐は仕切も立派に立上り、二つ三つ突掛けて上ヶ汐は右手を差し左手を相手の右手にからみ、緋縅は差されし敵の右手を我…