明治19年春場所7日目 (東京横濱毎日新聞/明治19.1.20)
○回向院大相撲 ・昨日七日目の相撲は追々取組もよく成り至極の上景気なりし。 ・出釈迦山に八幡山は、左四つとなり八幡が腕に任せて寄るを出釈迦山は必死と防ぎ一度は残りしが、ついに寄り倒して八幡の勝となりしに物言付いて預りとな…
明治~大正の新聞記事は大変興味深い情報の宝庫です。味わい深い文体も楽しみながら、古き佳き時代の相撲場風情を満喫しましょう。 緑色の文字は作成者のコメントです。
○回向院大相撲 ・昨日七日目の相撲は追々取組もよく成り至極の上景気なりし。 ・出釈迦山に八幡山は、左四つとなり八幡が腕に任せて寄るを出釈迦山は必死と防ぎ一度は残りしが、ついに寄り倒して八幡の勝となりしに物言付いて預りとな…
・綾浪に嵐山は気入十分、左四ツとなって争いついに寄身渡し込で綾浪の勝となり、物言付て預りとなりし。 ・海山に伊勢ノ濱は押切て海山、高千穂に友綱は引廻しハタキ込で高千穂の勝。 ・千羽ヶ嶽に大鳴門は、大鳴門の左を引張込んで泉…
○回向院大相撲 ・一昨日同所五日目は日曜かたがた大入にて。 ・柏戸に海山は気先よく立合い、左四ツにて寄合ううち海山の流れ足から振り込んで、土俵際にてスクイ柏戸の勝。 ・友綱に緋縅は造作もなく立合い、左四ツと成りて緋縅がま…
○回向院大相撲 ・昨日同所四日目の相撲は観客一杯にて桟敷土間とも人なだれを打つばかりの大入なりき、内にも山田大臣佐々木宮中顧問官其の他貴顕紳士の来場等ありし、当日一ノ矢剣山の立合は夜に入り土俵には高張を立てて明しとなし、…
○回向院大相撲 ・昨日三日目同所の相撲は一際入りも出て景気宜しく、又た此の日の曇りもまぼしくなく却って都合宜かりし。 ・伊勢ノ濱に鶴ヶ濱は逆投にて鶴の勝。 ・出釈迦山に高見山は、立上り高見は突張て仕舞おうと急に突いて出で…
○回向院大相撲 ・昨日二日目の相撲は、日を追て観客多く上景気なり。 ・目今売出しの高ノ矢に鬼ヶ谷は、突張て鬼ヶ谷の勝は早い相撲。 ・一ノ矢に出釈迦山は左四ツ、一ノ矢はげしきスクイ投にて見事の勝。 ・常陸山に知恵ノ矢は宜し…
○回向院大相撲 ・かねて記せし如く本所回向院の大相撲は昨日が初日にて、場所の拵えは近頃賑わしく横浜魚河岸より高砂へ贈りし大のぼり其の他積み樽等あり、当日の勝負付は左の通り。 ・綾瀬川に千羽ヶ嶽は立上ると直ぐに右四ツになり…
○回向院大相撲 ・昨日回向院十日目千秋楽の相撲勝負付は左の如し。 ・野州山に千代ヶ崎は、釣合い申分なき相撲にて始終五分に立合い攻め合いし後、水入りて引分は面白かりき、されど後にて疲労は千代の方に多く見えたり。 ・勢力に若…
○回向院大相撲 ・昨日九日目の勝負付は左の如し。 ・浦風に泉川は休なり。 ・四ツ車に鶴ヶ濱は随分人気ありて観客待ち設けたる相撲なりし、力士はヤッと立上り突掛け右四ツとなりて揉出で、鶴が遮に無に寄行けば四ツ車は西の土俵を踏…
○回向院大相撲 ・一昨日八日目の勝負は左の如し。 ・廣ノ海に伊勢ノ濱は、伊勢が相手の二本とも引張り込んで彼方此方へスカサズに持行きて、とうとう閂にて極め伊勢の勝。 ・常陸山に友綱は気合よく立合い、跳ね合う事三度にして友綱…