明治20年春場所7日目 (毎日新聞/明治20.2.5)
○回向院大相撲 ・昨日七日目の相撲は大達出勤、且つ取組も追々よき故か観客も前日に比すれば幾分か多きを加えたり。 ・千年川に播磨洋は跳合って押し切り千年川の勝。 ・伊勢の濱に千勝森は寄って伊勢の勝。 ・真力に高見山は、高見…
明治~大正の新聞記事は大変興味深い情報の宝庫です。味わい深い文体も楽しみながら、古き佳き時代の相撲場風情を満喫しましょう。 緑色の文字は作成者のコメントです。
○回向院大相撲 ・昨日七日目の相撲は大達出勤、且つ取組も追々よき故か観客も前日に比すれば幾分か多きを加えたり。 ・千年川に播磨洋は跳合って押し切り千年川の勝。 ・伊勢の濱に千勝森は寄って伊勢の勝。 ・真力に高見山は、高見…
○回向院大相撲 ・昨日六日日の相撲は、海山に一ノ矢の一番があるゆえか中入後より少しく人足付き、まづ中等の場況なりき。 ・若湊に山の音は、左四ツをほどき引掛けて送り出し湊の勝とは日々あっぱれの働き。 ・増位山に泉瀧は左四ツ…
○回向院大相撲 ・昨日の五目目は天気の都合とは言え少しく気の抜けた所に、力士中に休み多くなかんづく両大関とも病気とは近来になき事にてかたがた観客の足も薄らぎしやに見受けたり。 ・廣ノ海に上ヶ汐は突張て苦もなく上ヶ汐の勝。…
○回向院大相撲 ・昨日の四日日は、長雨のため人々待ち受けし所なれば非常の大入なりし。 ・若湊に泉瀧は突張ッて若湊の勝。 ・高ノ矢に梅ノ矢は相四ツから釣ッ競となり、寄って高の勝。 ・柏戸に真力は初めての顔合せゆえか柏戸も丁…
・昨日の三日目はいよいよ盛なる景況にて。 ・出釈迦山に友綱は造作なく立ち「左四ツ」にてちょっと揉合い、一声の力声と共に「上手投」にて友綱の勝はお手柄。 ・海山に柏戸は左差しにて、柏戸は四ツになる気、海山は引掛けて小手投げ…
○回向院大相撲 ・一昨日二日目の相撲は日曜と宿下りとを兼ねし上、風は激しかりしもまづは上天気、殊に二三番請けた顔触れもありし故か、およそ七八杯も観客ありければ大層なる二日目との評なりし。 ・若湊に吉ノ山は、一本差して寄り…
・回向院大相撲はいよいよ昨日初日なりしが、まづ充分の景気にして観客も二三千は入りたるべし。 ・海山に綾浪は難なく立ちて、綾浪が進んで右を差すを捻って海山の勝は美事。 ・泉瀧に友綱は、四ツにて揉合い友綱は四ツならばという気…
○回向院大相撲 ・昨日十日目の相撲勝負付は左の如し。 ・野州山に三芳川は、靖国神杜の奉納相撲に野州山は三芳の痛き頭突きに逢い、つら憎しと思う折柄、一生懸命なかなかの骨折りにて寄って勝は面白かりし。 ・一ノ谷が鷲ノ森に勝ち…
○回向院大相撲 ・昨日同所九日目の相撲勝負付は左の通り。 ・番組のうち廣ノ海はヤグラにて達ヶ関に勝。 ・八幡山に嵐山は、われ人共に待ち構えたる顔触れにて流石人気のある同士、粗忽を取らじと見合いしは一点の隙双方になしと見え…
○回向院相撲 ・雨天の為に順延せし同所の相撲は、快晴に付き昨日が八日目にて当日の勝負付は左の通り。 ・九紋竜は押切て緋縅に、綾瀬川は櫓にて浦湊に、伊勢ノ濱はカタスカシにて桐山に勝。 ・さて八幡山に真鶴は左四ツとなり、機を…