明治14年夏場所2日目 (東京横濱毎日新聞/明治14.5.18)
・昨十七日、回向院二日目の相撲は見物千五百人にして。 ・中入前の小武蔵と宮ヶ崎の立合はついに小武蔵の勝とはなりたれども、余程揉めたる勝負なりし。 ・浦風と清見潟の立合は、浦風は利き手の右を差し左にて相手の右の腕を握りて揉…
明治~大正の新聞記事は大変興味深い情報の宝庫です。味わい深い文体も楽しみながら、古き佳き時代の相撲場風情を満喫しましょう。 緑色の文字は作成者のコメントです。
・昨十七日、回向院二日目の相撲は見物千五百人にして。 ・中入前の小武蔵と宮ヶ崎の立合はついに小武蔵の勝とはなりたれども、余程揉めたる勝負なりし。 ・浦風と清見潟の立合は、浦風は利き手の右を差し左にて相手の右の腕を握りて揉…
・昨日は両国回向院大相撲の初日なりしが、観客は千百七十五人にて上出来の初日なりし。 ・其の番数のうち最も面白かりしものを記さんに、まず伊勢ノ濱に荒玉の立合は難なく立合いしが、互いに左を差して揉み合いしに荒玉の力や勝りけん…
・両国回向院の相撲は初日より打ち続きたる晴天に日々客足よく、殊に相撲は近年稀なる上出来なりしが、いよいよ昨日十日目にて千秋楽となりたり。 ・さて当日の三役にて小結を勤めたるは稲ノ花と君山にて、立合い滞りなく稲ノ花は左右と…
・昨日九日目の相撲は見物二千百八十九人にて九日目には上出来の景況なり。 ・荒虎と司天龍は、立合際荒虎は激しく突掛け既に相手を突き出さんとするを、司天龍は土俵を廻り上手より組付きし所を、すかさず荒虎は「河津」を掛けしにぞ司…
・一昨日回向院八日目の相撲は日曜日といい賽日の事なれば年期子供の見物も多くあり近年稀なる大入りにて観客の数は五千三百四十七人なりし。 ・中入前、大纒と入間川の立合は立合際にて相撲となり、ついに大纒の勝となりしが、見物は久…
・昨日回向院七日目の相撲は見物四千七十二人。 ・荒虎と鞆ノ平の勝負は、鞆ノ平少しく立ち後れしと見えしが、荒虎の得手なる突掛けにて一足も留まらず突出されたり。 ・柏戸に荒角は申し分なく立合い、柏戸は相手の左右の手を受け頭を…
・昨日回向院六日目の相撲は見物二千六百六十一人にして。 ・清見潟に高千穂は立合際より互いに刎合い二三撃にして清見潟は一声叫びて右手を伸し相手の胸板を突くと見えしは是れ「鉄砲」と呼べる手にして高千穂は一足後へ下り左足を踏み…
・昨日回向院五日目の相撲は見物三千五百拾二人にて。 ・荒虎と清見潟の取組は両々名代の荒相撲なれば派手やかに立合い、離れては互いに刎ね合いてありしはさながら萬字巴の如くなりしが、遂に荒虎は刎ね負けて既に踏み切らんとする時、…
・昨日回向院四日目の相撲は見物三千六十六人にて。 ・中入前の鞆ノ平と響矢の勝負は前日顔触れの時より諸人待ち設けたる勝負なるが上、双方出世相撲の事ゆえ、始終念を入れて申分なく立ち上り響矢は右を差せしに、鞆ノ平はこの手の上よ…
・昨日回向院の相撲は観客二千三百二拾人にて実に三日目には意外の大入なりし。 ・中入前、柏戸に司天龍の取組は余程面白かりし取口なりしかど、引分となりしゆえこれを略す。 ・上ヶ汐と武蔵潟の勝負には上ヶ汐は少しく立ち後れしが、…