明治28年春場所6日目 (時事新報/明治28.1.22)
○本場所大相撲 ・一昨日の日曜は相撲の六日目に当り、取組もまた面白きためにや場中一ぱいの大入り大景気なりし。 ・雷山に関ノ音は、立上り釣りて関の勝。 ・升ノ戸に宝嶋は、左四つ寄りて升の勝。 ・鬼鹿毛に一力は、立上り小手先…
明治~大正の新聞記事は大変興味深い情報の宝庫です。味わい深い文体も楽しみながら、古き佳き時代の相撲場風情を満喫しましょう。 緑色の文字は作成者のコメントです。
○本場所大相撲 ・一昨日の日曜は相撲の六日目に当り、取組もまた面白きためにや場中一ぱいの大入り大景気なりし。 ・雷山に関ノ音は、立上り釣りて関の勝。 ・升ノ戸に宝嶋は、左四つ寄りて升の勝。 ・鬼鹿毛に一力は、立上り小手先…
○回向院相撲 ・昨五日目、朝よりの曇天にもかかわらずかなりの大入なりき。 ・高ノ森小松山は、高左に脇みつを引き右に前袋を取る、小松は右の上手にみつを引き止まらば釣らんと挑みたり、高は敵の釣りを気構え腰を引きて挑む、水入り…
○回向院大相撲 ・昨日の四日目は地獄とやらにも釜の蓋の開けてどんたくをすると云う賽日、殊に藪入り子供の朝まだきより今日を限りと詰掛けたれば、はや正午頃には立錐の地も余さざる程の大入なりき。 ・升ノ戸天津風は、立合に升がさ…
○回向院大相撲 ・昨日の三日目は天気風も無く朝よりの快晴にて前日よりも客足繁く、殊に藪入小僧の来観者も多くまづ八分の入りと見たり。 ・高ノ森升ノ戸は、始め高の差したる左を升ノ戸がしぼり上げて攻立る、高体をよせて防ぎつつほ…
○回向院大相撲 ・梅ヶ崎今泉は、手先に競り合い泉左を敵の胸にあてて押出し。 ・大戸崎一力は、左四つに組みて揉み合い水入りてのち寄り切て大戸崎勝。 ・唐辛外ノ海は、立合に辛子より突出す右手をたぐり込みつつ廻り込みて突き倒す…
○回向院の大相撲 ・一昨十三日より開場、当日日曜日なりし故か興行初日としては近年に見ざるほどの大入なりき、殊に当場所は土間桟敷の場代を割引し特別席一人三十八銭を二十五銭となし、一等席の二十五銭を二十銭に、二等席の十五銭を…
○回向院大相撲 ・当日三役の八ツ房猫又は、猫の右さしを八ツ房は巻き込みて挑み猫下手投を打て勝。 ・笹嶋当リ矢は、突合いて突出し当リ矢の勝。 ・関ノ音狭布里は狭より左をさし、右を首に捲き両足を両掛して敵を巻倒さんとせしが、…
○回向院大相撲 ・雷山狭布里、右四つ狭が腰投げ打たんと腰を入れるとたん雷山クルリ廻り込み後ざまに抱き出す。 ・大泉小天龍、押合て小天引落して勝。 ・鳳凰唐辛は、立合に辛鳳の右を引ぱり込み一本背負いを打たんとするを、こやつ…
○回向院大相撲 ・小天龍雷山は、突合い突出して小天勝。 ・鬼鹿毛狭布里は、鬼下手投げの打損じ腰砕けて負。 ・唐辛天津風は、辛の左差しを天津引上げて挑み組み替えて手車、ほぐれて辛の右差し天津は寄らん辛は捻らんと揉み抜き、水…
・昨日すなわち七日目は、一昨日と違い来観者余程少なく東桟敷に柳橋の紅君列をなし居たるは同所の総見物なりし。 ・一力両國は、突出して一力の勝。 ・不知火狭布里は、右四ツに組み不知火より寄って釣出し。 ・大泉響矢は、左四ツの…