中村楼事件 その5(東京朝日新聞/明治29.1.18)
○大相撲紛議落着す ・例の大相撲紛議について、本所区内の各望家青木庄太郎、草苅矍翁二氏が大戸平以下団結力士に対し懇々慰諭されし事は前号記載の如くなるが、さしも一徹の力士達も二氏が物柔かなる談判には屈伏したりと見え、しから…
明治~大正の新聞記事は大変興味深い情報の宝庫です。味わい深い文体も楽しみながら、古き佳き時代の相撲場風情を満喫しましょう。 緑色の文字は作成者のコメントです。
○大相撲紛議落着す ・例の大相撲紛議について、本所区内の各望家青木庄太郎、草苅矍翁二氏が大戸平以下団結力士に対し懇々慰諭されし事は前号記載の如くなるが、さしも一徹の力士達も二氏が物柔かなる談判には屈伏したりと見え、しから…
○大相撲の紛議続聞 ・西方の力士代表者大戸平が仲裁者の元へ提出したる二三の説は、いづれも穏当なる事柄なれば多分高砂方にてもこれを容れ、さしもの紛擾も和解すべしとの事は前号に記載せしが、この提出案の如きは神仏に於ける御前立…
○大相撲の紛議ほぼ纒まる ・一昨日、西方力士の代表者大戸平が仲裁者に対し関脇以下の力士に相談の上、彼等さえ和睦の事を承知すれば自分においては異議なしとの答を為し、後刻確答すべしとて引取りたるまでの頓末は前号に記載せしが、…
○大相撲紛議一條 ・前号にその詳細を報道したる回向院大相撲の紛議一條は、一昨日午後に至り多くの仲裁者が八方奔走の末取締高砂、雷及び検査役阿武松、武蔵川、浦風、関ノ戸、八角、尾車、伊勢ノ海、清見潟、勧進元二所ノ関の人々を角…
○回向院大相撲の大紛議 ・去る十一日の初日を入掛にしたる回向院の大相撲は、今回年寄仲間に一大紛議を醸生したるがため一昨日の「出直し初日」も遂に全くこれを廃し昨日もなお平和に帰せず到底容易に紛議の解くべき見込なきのみならず…
・小西川に熊風は、突き出して小西の勝。 ・甲岩に高見山は、左四つ寄り切って甲の勝。 ・朝虎に隈川は、朝の泉川崩して一二合突き合い、突き出して隈の勝。 ・黒岩に松若は、一二合突き合い右四つに組み土俵際にて少しく危うくなるよ…
○大相撲 ・逆鉾に若島は、逆が立ち後れしも其のまま立上り、左を差すを若はその手を撓め左筈にて押し出し若の勝。 ・鉞りに小天龍は、突合い突出して小天の勝。 ・唐辛に高浪は、唐左を差すを高は泉川にて撓め出さんとし、唐は腰を据…
○大相撲 ・松ヶ関に不知火は、立上り知火二本差しを松は右上手を引き左に敵の右を絞りて揉み合い、知火より足クセに行くを残りて寄り切り松の勝。 ・鬼鹿毛に松若は、松の右を取り小手投げにて鬼の勝。 ・一力に天津風は、力左筈に行…
○大相撲 ・関ノ音に小天龍は、立上り烈しく突き合い関が張り手にて突き立て来るを小天は廻り込む途端、関の後を抱きて逆投げ小天の勝。 ・雷山に高浪は、左四ツ上手下手にて揉合い雷が上手投げを打ち高は倒れ、其の際雷も土俵を割りし…
○大相撲 ・大蛇潟に鉞りは、立上り鉞り左を差すを大蛇は敵の差し手を巻込みて揉み合いつつ、鉞りは左に敵の前袋を取り右を差すを大蛇左にて絞りて互いに押し合い、水入後再びつがい鉞りは左を差し右に前袋を取り競り合い双方分けを待つ…